クロスオーバーならではの考証

 クロスオーバーを書くためには本当にどうでもいい知識が必要です。どうでもいいんだから適当に書いておけばいいようなものですが、そういうところが無意味に正確であることがネタの発起点になることも多いのです。

 現代で練馬駅といえば原則的には西武池袋線練馬駅であり、東武東上線の練馬は「東武練馬」が駅名です。お察しのように、現在の西武池袋線である武蔵野線が1914年の開業当時から練馬駅を持っていたのに対し、東武練馬駅ができたのは1931年でした。

 もともと西武も東武も地元の有力事業家たちが出資して挑戦した鉄道事業でしたが、何度も事業不振の波をかぶるうち、どちらもより大規模な資本家の傘下に入ります。堤康次郎が(後の)西武の社長となるのは1940年でした。

 何のことを書いているのかお分かりにならないと思いますが、私は「あの〜練馬駅はどちらですか」というネタは架空戦記に使えるかどうか調べていたのです。